女性天皇(現行法制に反する)に8割以上が賛成の現状は天皇が本来の役割を果たしてこなかった何よりの証左

女性天皇(現行法制:皇室典範に反する)に8割以上の国民が賛成という現状は、天皇が本来の役割・責任を果たしてこなかったという何よりの証左となります。
天皇の役割・存在意義の究極は即位・在位の年齢制限に表れています。
すなわち0歳で即位・在位が可能。
可能というよりは「直ちに即位する」(即位すべし)という規定、文言です。

 皇室典範 第四条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

全身全霊などとは対極、国事行為さえ必須ではないというのが、現行憲法体系における象徴たる天皇の位置付けです。

0歳即位 全身全霊とは対極の憲法「象徴」規定 

0歳の赤子で憲法で定められた国事行為も(一時的なものではなく)完全に出来ない、メッセージも伝えられない中でも即位相当、在位に問題なしとするならば、天皇の役割・存在意義とは何なのでしょう。
全身全霊や優秀さ、人柄等でないことは確かです。

あらためて0歳でも可能なのは存在そのもの、即位・在位そのもの、ルールに則った継承:代替わりを示すことです。
一系継承:ルール破りのない和の代替わりこそが天皇の本義と、法制・条文から導き出される形となります。

皇位継承:一系継承にこそ天皇の本義、国民の総意に基くと規定されるに相応しい意味合い、日本的な価値があるということです。
和の心を体現し、君民共治という天皇と国民の紐帯の根幹となるのが、皇位を私物化せずに余力を残して他家に渡す抑制的な傍系移行、一系継承となります。
西欧の王室において王統断絶・国王処刑・恐怖政治の歴史があったのに対して、日本において皇統断絶がなかった意味、西欧の王と日本の天皇の位置付けの相違は、利権世襲(独占世襲)か預かり世襲(非独占世襲)かの相違に如実に表れています。

王位皇位の世襲方法分類 直系か一系か

万世一系は過去の礼賛、無謬論ではなく現世を縛り未来に和の普遍理念を繋ぐ美称表現

「民の奔流」の恐ろしさ 王統断絶・国王処刑の西欧歴史

実際問題、現行の憲法体系、法制:皇室典範において、天皇・皇族の”門地的な位置付け”は非常に限定的であり、女性天皇=天皇の娘による皇位の相続は明確に排除されています。
(いわゆる女系天皇・王朝交代以前に、男系女子による女性天皇・直系相続自体が為されないものとされています)
また、天皇の長男・一人息子でも一生天皇になれないことさえある規定で、妊娠時崩御の場合、胎児の継承は優先・猶予されません。
天皇の長男でも天皇になれない妊娠時崩御 家督・相続物でない証左

直系に実子(娘、孫娘、長男胎児)がいても、傍系他家の男子が継ぐというのが皇位の継承方法、規定であり、こうした憲法14条の生まれ差別禁止・門地差別禁止の理念と根本矛盾しない枠組みを前提として憲法1条において「象徴」「国民の総意に基く」と定められているのが天皇存在となります。

女性天皇(天皇の娘への相続)はもちろんのこと、女性宮家・皇女制、養子など時の天皇・皇族直系による門地特権化、門地による終身利権化の方向で皇位・皇族身分・宮家の位置付けを広げることは、憲法14条 門地差別禁止に反するだけでなく、憲法1条の「象徴」「国民の総意に基く」の前提を崩すものとなります。
女性宮家(内親王結婚後の公務継続等)における皇族身分の私物化・利権化

また、憲法99条においても憲法尊重擁護義務が明示的に課されています。
憲法に基くならば、現行の法制(国民の総意に至る伝統の昇華=男系男子)に基き継承順位に従い自分に次ぐ者に継承させる(させるというより継承することとなる)と明示・明言すべきが憲法(法制)尊重擁護の義務となります。
天皇だけでなく、憲法上の明記はないながら皇太子の地位は直接的に次期継承に繋がりますので、継承問題に関しては皇太子も憲法尊重擁護の義務(準用)を自覚しつつ、ルール:現行法制に基いた継承を行う旨、憲法(法制)を尊重擁護する旨を明示・明言しなければなりません。

具体的に、平成においては皇太子(徳仁親王)に男子は生まれていない状況にあったので、平成の天皇(明仁親王)は「皇太子の次には秋篠宮(文仁親王)が継ぐ」と、継承順、現行法制を尊重・擁護する旨を明示・明言すべきでした。

また平成の皇太子(徳仁親王)においても、自分に継承者たる男子が生まれていないこと、それ故に国民が皇位継承に心配、関心を寄せていることを踏まえ、継承順に従って「自分の次は秋篠宮(文仁親王)が継ぐ」と、現行法制を尊重・擁護する旨を明示・明言すべきでした。

あらためて令和の代となり、徳仁親王は天皇に即位し条文的にも憲法尊重擁護義務を明示的に負う立場になったのですから、継承順に従って「自分の次は皇嗣たる秋篠宮(文仁親王)が継ぐ」と、現行法制を尊重・擁護する旨を明示・明言すべきです。

これをしていないという意味で、平成、令和の天皇は憲法99条違反、憲法体系・法制を尊重・遵守し擁護する義務を果たしていないということになります。

そもそも皇位継承方法、ルールは、天皇の正統性を担保するもので、なぜ自分が天皇でよいのか、正統なのかに関わる極めて重大な拠り所になります。
それを軽視するということは自分の存在、天皇存在の基盤を揺るがす、危うくすることとなります。革命にも至りかねません。

一系継承でなく女性天皇で良いなら、第119代は平成、令和の天皇の直接的な先祖である光格天皇(師仁親王、後に改名兼仁親王)ではなく、先代118代後桃園天皇の娘たる欣子内親王が継承・即位していたことになります。
欣子天皇が師仁親王と結婚していたか、自分たちの父・祖父等が生まれていたかは定かではありません。

天皇の役割は皇位継承の本義を国民に伝えることであり、それがいかに日本らしさ、和に繋がっているか、いかに和:君民共治のレベルを高めていかなければならないかを喚起・感化することとなります。
それが当代、そのルールによって即位在位している天皇としての自分自身の地位の正統性を示すことにもなります。
また将来の天皇の地位、皇統、皇運の無窮の流れを安定させ確かにすること、革命を招かないことにも繋がります。

天皇において、自分の在位で国民が皇位継承の意味・意義をよく理解していない、女性天皇に賛成が半数を超える、半数どころか8割を超えるに至るという状況は、いかに自分が在位の根本的な役割・責任を果たしていないかの証左であり、本来は非常に恥ずかしいこととなります。
また危ういことになります。

皇位継承論において、昭和と平成の最大の違いは女性天皇に関する天皇、皇太子の姿勢、発言です。
昭和においては、「秩父さんもおる」と娘が4人という中で今後男子が生まれなければわが娘に継承させようとするのではなく、一系継承のルールに則り弟の秩父宮が継ぐことになる流れ、一系のルールを尊重する姿勢を示しています。

天皇自らが娘継承など目論まない、傍系の弟等他家に皇位を移行させると意志を明確に示せば、国民の意識は喚起され、女性天皇賛成が多数になる流れとはなりません。
また天皇・皇嗣とその弟を比して、弟・弟一家を貶めるような言説が流布されるような流れ、風潮には至りません。

少なくとも、尊皇の立場、天皇を応援しますという立場(ファンアピール)を取りつつ女性天皇:天皇の娘の即位を望む・求めるようなこと、及び次位の継承者(一家)貶めるようなことは矛盾となり出来なくなります。
(天皇の意思には反するが、男女同権の意味で娘が継承すべき!
 娘に継承させようとしない天皇は非人道的だ!
 などの形での女性天皇推進運動や弟等の貶めはあり得ましょうが)

本来、皇位の安定のためには天皇・皇太子だけでなく、いざという際に代わって支えとなる次位の継承者たちは非常に重要な存在となります。
天皇・皇太子を上げて次位の継承者を下げれば天皇・皇太子が喜ぶ。そんな風に思われているとすれば非常に危ういことであり、在位者、皇太子として恥かしいこととなります。

しかしながら平成、令和においては、明確にルール順守、一系継承の原則に従い傍系移行との姿勢は示さず、皇位継承議論が世の中にあるので発言を控える云々との姿勢です。
憲法99条に則り現行の憲法体系・法制を護り擁護する意志は示されず、憲法尊重擁護義務(準用)の認識が欠如の無責任な対応であり、むしろ机をコツコツ叩いて法改正(娘継承是認)を催促している在り様です。

天皇、皇太子としてあってはならない、私利私欲、個利個略にまみれた皇位の私物化、既得権化を目論む在り様で、帝王道に反したあり得ない在位、姿勢となっています。

現在の憲法・法制を一字一句変えてはならないというものではありませんが、その根幹部分に関しては歴史、伝統を踏まえた先人の高度な昇華により生まれたものとして尊重するのが保守、伝統尊重の基本的な立場となります。
現状は、そうした現行法制:皇室典範の規定に反して、女性天皇でもよい、養子もよいといった考えが多数を占める状況に至っており、国の歴史、世相の波という意味で非常に危うい状況にあると言えます。

そしてこうした伝統軽視姿勢の大本に、天皇自らが憲法99条違反によりなっている、自らの地位の拠り所となる皇位継承の大原則でさえその意味を国民に伝えられない状況になっている。
また国民が、天皇の弟:皇嗣、皇嗣一家を貶め天皇の娘を持ち上げるのが尊皇の態度、天皇一家ファンの在り様、天皇を応援することになると思い、そうしたことに勤しんでいる状況となっているのは非常に危ういことです。革命や内乱等にも至りかねません。
(天皇が、「憲法・法制に従って次の代は皇嗣たる弟の秋篠宮が継ぐことになります」「愛子には天皇になり得るという話を一度もしたことはなく、結婚降嫁を前提に幸せな人生を送ってもらいたい旨幼少時からずっと話をしてきました」「天皇一人だけで皇統を維持することは出来ず、各宮家、各継承者、その家族の協力があってこそ皇室運営は成り立ちます。特に弟の秋篠宮は、幼いころから私に万一のことがあれば私に代わって皇位を継いでもらうことを前提に話をして兄弟で育ってきた仲であり、深く信頼しています。私の次を担ってもらうのは非常に心強く思っています」等の発言により自らの考え姿勢を示せば、女性天皇論も弟一家貶めなども天皇ファン、天皇応援の名のもとに行いようがない形となります。
そしてそれこそが本来の帝王学・帝王道となります。)

あらためて、こうした点に関して冷静にその異常性を受け止めるべき段階に至っていると捉えます。

天皇の本来の役割、傍系移行の重要性に関しては、図表も含めたスライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。

小中学生のための天皇・皇位継承論  1 前半
・小中学生への期待 裸の王様を言うのは子供
・基本と応用、基本が大切
・基本1 王位・皇位の世襲方法分類 直系継承/一系継承
・基本2 王皇制の危険性・リスク 王統断絶・国王処刑・恐怖政治
・基本を踏まえての日本の皇位継承
・皇位は預かりもの 皇位の私物化は許されない 君民共治 シラス

 

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