書き起こし全文【Youtube】小中学生のための天皇・皇位継承論 1 前半

Youtube スライド動画「小中学生のための天皇・皇位継承論  1  前半」1時12分ほど
https://www.youtube.com/watch?v=GBObl77ZQE0
の書き起こし全文を以下に掲載します。
まずは動画を直接ご覧いただきたいと思いますが、視聴後の確認など活用ください。

*

「小中学生のための天皇・皇位継承論  1  前半」
・小中学生への期待 裸の王様を言うのは子供
・基本と応用、基本が大切
・基本1 王位・皇位の世襲方法分類 直系継承/一系継承
・基本2 王皇制の危険性・リスク 王統断絶・国王処刑・恐怖政治
・基本を踏まえての日本の皇位継承
・皇位は預かりもの 皇位の私物化は許されない 君民共治 シラス

書き起こし全文【小中学生のための天皇・皇位継承論 1 前半】
https://www.youtube.com/watch?v=GBObl77ZQE0

小中学生のための天皇・皇位継承論

小中学生のみなさん こんにちは

天皇の代替わり 皇位継承の話をしたいと思います

なぜ愛子さんが 天皇になれないのか
ということですね

最初に Youtubeで見ていて 私の話すのが遅いと感じる人は
再生スピードを 1.25倍など
聞きやすいよう調整にして 聞いてください

ここで
私がなぜ 小中学生のみなさんを相手に話をするのか というと
それは みなさんに期待をしているからです

裸の王様 の物語りでも
「王様は裸だよ」「なにも着てないよ」と言うのは子供ですね

大人になると 周りの様子を気にしたり 肩書や地位、世間の評判などで判断するようになる
必ずしも正しい判断、理に適った考え方が出来るとは限りません
これは東大卒業でも同じです

正直言って 今の日本、社会は悪い状況になっています
皇位継承の問題で 考え方が割れている様に
天皇とは何か 一系継承とは何か という日本の常識が 分からなくなっている状況です
和の乱れ、和の崩れです

こうした状況では、今の大人に期待するよりも
これから社会を担っていくことになる子供が 正しい形でものごとを捉えて
その捉えが社会の常識として広まっていく形の方が
遠回りなようで実は近道、確実な道になると思います

もちろんのこと 小中学生でも
自分で「分かりたい」「理解したい」と思っている人向けです
受け身の姿勢の人には 難しい話になると思います

今後数年、あるいは10年程のうちに
みなさんは大きな力を持つようになります
選挙権 投票権を18歳で持てるようになります
中学3年生は後3年ほどですね 小学生でも10年ほど
そして25歳になると 衆議院議員選挙に立候補出来るようになります

25歳で 若者たちが 日本を建て直す「和の国新党」を作って選挙に出て
選挙で勝ったら 25歳でも総理大臣になれます
そういう可能性を持っているのです

あと10年経つと 今の中学3年生が25歳で選挙に出られて
小学生も投票出来るようになります
10年作戦で 子供たちがしっかりとした考え、歴史や伝統に沿った 法律に基づいた考え方が出来るように
案内していくことの方が より確実で 運に左右されない 失敗の少ない方法だと 私は思っています

そうした意味で 小中学生の皆さんに期待をし
皆さんを相手に 非常に大切な天皇、皇位継承の話をしたいと思っているのです

これからする話は 日本の歴史、将来に関わる 長い話となりますので
1回で見るのが大変な様なら 何回かに分けてもらってもいいですので
ぜひ 全部見てもらいたいと思います

そして 将来総理大臣になって 国の建て直しの政治を 進めてください


それでは中身の話に入ります

基本と応用、基本が大切 と言うように
基本を押さえておかないと応用も分からない どう考えて良いか考え方が分からない ということになります

例えば、中学生は習いますが ピタゴラスの定理 三平方の定理 というものがあります
これは 教えてもらえれば中学生でも証明が出来るのですから 自分で考えて編み出せる人もいます
小学生でも 5年生 6年生などで分かる人がいるかもしれません
でも みんなが出来るとは限りませんね
順序よく習って 基本が分かっていると理解しやすいです

皇統 皇位の継承も同じで
歴代の天皇の継承図を見て 頭の良い人は
ピンと真理に気付き 本質を見抜き
今の法制:皇室典範との繋がりを 理解することが出来ます

でも こういう人は少数です
実際、今の大人たちは、 男系で繋がってきた ということしか見ることが出来ず
過去の継承から真理を見つけることが出来ないで
後付けで あれやこれや理屈をつけている形です

一番のポイントは 今の法制:皇室典範の意味が理解出来ていない ということです
皇室典範は、皇統 過去の継承を踏まえた上で
本質を見抜いて あらためて整理されたものです
そこでは 女性天皇は排除され 養子は禁止 とされています

基本のない大人たちは、この意味が分かっていません
先人の思考が読み解けない なぞれない形で
自分が分からないものは変えたらよい と言っているのが 今の大人たちです

これは、伝統派 保守派と 自分で言っている人も
改革派で 女性天皇・女系天皇に変えよう と言っている人も
どちらも同じです
基本がないから 現行の法制 先人が見つけた真理の意味が分からない
それで 変えたら良い と言っているのです

こういう 基本がない状態で 皇位継承を議論しているから
とても的外れな ズレた議論になっているのが
今の大人たちの状況です
大学教授でも同じです

ですから あらためて 基本を押さえて
基本に基いて 過去 実際の例 応用例を見ることで
どう基本と合致しているのか どうズレているのかを見抜き
その上で 本来はこうあるべきだ これからはこういう風にしていくのが良い
というものを考え
今の法制 皇室典範の意味はそういうことなのか と理解した上で
話を進めていくことが大切で 有意義と思います

そうした意味で
基本となる
王位皇位の世襲方法分類
継承方法の種類と文化的な意味を 整理しておきたいと思います

それでは基本の 王位皇位の世襲方法分類です

王位皇位の世襲方法は、大別して2分類で整理されます

一つは   直系継承
もう一つは 一系継承 です

そして一系継承は 男系一系と 女系一系に小分類されます

1 直系継承  息子でも娘でも子や孫が継ぐ 子も孫もいないときにはじめて兄弟やその子孫が継ぐ形になります

2 一系継承
2-A 男系一系 父系一系 父から息子への継承を基本とします
息子がいない場合は弟、甥、叔父、従兄弟等が継ぎます
2-B 女系一系 母系一系 母から娘への継承を基本とします
娘がいない場合は妹、姪、叔母、従姉妹等が継ぎます

これを図で説明します

まず最初 王・皇がいます
国王 皇帝 天皇 など 男の王 皇帝でも 女でも
そして王・皇が結婚します
その後 王・皇に 子供が生まれます 男二人 女二人とします
その後 子が結婚します
その後 孫が生まれます  男二人 女二人 ずつとします
こういう状態 系図において

1の直系継承の場合は
男でも 女でもいい という継承ですので
4人の子供 そして16人の孫 誰でも継承者になります
結婚相手は継承者になれませんので 小さく書いています

一つの親子単位で見ると 直系継承は分かりやすい継承方法ですね
男でも女でも 子供が継ぐ
子や孫が誰もいない時だけ 兄弟やその子が継ぐ形となる
家の相続 財産相続はこの方式ですので それと同じになります
財産 家督 相続の考え方です

ただ 一般家庭と違って 国王 皇帝の立場は公的なものですので
一つの親子単位ではなく 視点を広げて見てみると
直系継承の場合は、どんどん継承者が広がっていく継承方法となります
イギリスの場合、5千人以上の王位継承者がいるそうです
最終的には、国民のほとんどが王位継承者 ということにもなり得ます
一般国民と 継承者 潜在的に継承の資格を持つ人 との区別が あいまいになる継承方法です

それに対して
2の一系継承の場合ですが

2のAの男系一系の場合はこうなります
最初の 男の王・皇の 青い線で繋がっている 青い男が継承者となります
王・皇の2人の息子 そのまた息子、すなわち4人の孫が継承者となります
王の娘が生んだ息子は 薄緑の線 薄紫の線で繋がる息子になりますので 継承者にはなりません

2のBの女系一系の場合はこうなります
最初の 女の王・皇の 赤い線で繋がっている 赤い女が継承者となります
王・皇の生んだ二人の娘 そのまた娘、すなわち4人の孫娘が継承者となります

直系継承の場合は、孫の段階で16人が継承者となりますが
一系継承の場合は、4人だけとなります

ここで
女の王・皇の二人の娘 右の長女と 左二女のうち 長女が継いだとして
その長女には 息子は2人いるけど 娘がいないという場合にどうなるか

この場合は 息子は実の子ですから直系子孫になりますが 直系の息子は継げずに
傍系となる妹の二女が継ぐ形になります
これを 傍系移行 と言います
傍系というのは 上の線をたどって横に行き また下がって繋がる関係です
上の線でも 下がらないでまた上に行って繋がるのは直系の関係 親 祖父母という繋がりになります
下に繋がる線は どう行っても全て直系の関係です

さて 傍系移行で妹が継いだ後は 今度は妹の方がメイン 本系 本統となって
妹の娘 が継いでいく形になります
これが一系継承の基本 純粋な一系継承 女系一系のルールになります

ルール自体は単純で分かりやすいと思いますが
この図 この継承方法から 何が分かるか 何が見えてくるでしょうか

実際に自分が王・皇の立場ならどうしますか?
自分の子はいるけど 一系に沿わないからとして子供には継がせられない
兄弟の側に継がせるとなったら どうしますか?

これは 日本に限らず 他の国でも実際にある あった継承方法ですので 意味のある継承方法となります
だから分類となります 極端に特殊な例ではありません
実際に 直系継承と一系継承 どちらがいい といった話とは別に
一系継承にどういう意味 メリットがあるのだろう という視点で メリット探し 意味合い解釈をしてみてください

本来ならば 明日までの宿題 あるいは1週間後までの宿題として
じっくりと 自分の頭で考えてもらうのがいいと思いますが
今回は 時間の問題もありますので 話を続けます

このように 直系に子がいても継げないで 傍系に移るということは
王位・皇位の「由来」 という意味で どう見えますか? 何が分かるでしょうか?

先ほどの例で
女の王・皇に二人の娘がいて 長女の方が継いだ 女の王・皇となりました
しかし自分の子供 息子には継がせられない となると
この長女に 王位・皇位の由来があると 言えますか?

そうは見なせませんね
長女に王位・皇位の由来があるなら、自分の子に継がせられるでしょう
そうではないんだ 時の王・皇に由来があるわけではない
子に継承させられる権利があるわけではないんだ
ということが見えてきますね

となると 由来はどこにあるのか 何に基くのか ということになります
長女の王・皇にが由来がないとするなら その先代か 先々代か と遡っていくことになります
そして 結局は 初代なり 起点 始まりの王・皇 に行き着くことになります
始まりの王・皇 すなわち 国づくりにこそ由来があり
それを伝えるための存在が王・皇 ということが再認識される形になります

王位・皇位を代々継いでいく中で
そもそもの王・皇の成り立ちを忘れてしまって
始まりの由来を思う気持ちが薄れてしまって
全然違った国の状況 乱れ 崩れになってしまうこともあり得ます

そうならないために どうするか
先人の知恵です
男か女か という天意で決まる部分に任せる形で一つの系統を決め
その系統に着目をすることで 同じ子でも 継げる子と継げない子を 区分けして
継げる子がいる場合に継がせる 継げる子がいない場合には 傍系の他の家に渡す

このようにルールを決めることによって
そして実際に ルールに基づいて傍系移行がなされることよって

あらためて そうか 由来は今の王・皇ではないんだ
そもそもの国づくりのいわれ・理念が大切なんだ
王位・皇位は預かりものなんだ
王・皇でも 王位・皇位を私物化してはダメなんだ
近視眼で考えていてはダメなんだ
長期視点で 過去・未来から 世代を預かっている役割意識・責任感が大切なんだ
と気付くことになります

国をあげて 国民が 建国の成り立ちに原点回帰をする仕組みが 傍系移行であり
それを 不定期ながら 天意 人の生死に委ねることで
数世代毎に繰り返していく仕組みが 一系継承なんだ
すごい知恵だな と気付くことになります
そうした意味合いを 一系継承から読み取ることが出来ると思います

更にもう一つ 他の観点として
継承者同士、王族・皇族の協力関係 という面では どうでしょうか

一系継承は直系継承と比べて 傍系移行が起こりやすい仕組みです
男か女か どちらか一方の系統に着目しますので 生まれないときもありますし
生まれても早くに死んで継承者がいなくなる場合も出てきます

こうなると、兄弟や従姉妹などの関係でも、ちょっとした偶然の重なりによって
王位・皇位が巡って来やすい形になります
もしかすると自分が継ぐことになるかもしれない、という意味での確率が高い状況だと、
王位・皇位、王室・皇室の状況に 他人事ではいられなくなります

仮に自分に役割が巡ってきた時に、ヒドイ状況になっている王室・皇室なら大変な目に会います
そうした意味で、継承者、王族・皇族同士の協力関係
健全な意味で 運営を高めていきましょうという当事者意識は 高くなる形になります

一定数の継承者が常にいる体制ならば
良い意味での協力、牽制が働き、悪い方向に流れていくのを防ぐ効果も持つ 継承方法となります

この点、直系継承の場合は、王・皇と直接の兄弟同士でも
王・皇に子が生まれれば 男でも女でもその子・その孫が継ぐ形となりますので
仮に一人死んでも他の子・孫が継ぐ という中で
王位・皇位が巡ってくる確率、見込みは グンと減る形になります
王位・皇位が 時の王・皇直系の 独占物的な位置付けになります

そうなると、同じ継承者、王族・皇族でも、他人事の感覚になり
今の自分の立場の中で 待遇や特権を享受しよう 楽しもうという形になり
(イギリス直系継承における ヘンリー王子&メーガン妃の在り様などそうした典型とも見られ)
協力や牽制が、一系継承と比べて働きにくい 状況となります

このような相違も出てくるのが、直系継承と一系継承 2つの世襲の在り方となります

あらためて直系継承と一系継承の文化的な特徴を整理して見ると

1 直系継承の文化的な特徴
息子でも娘でも王・皇の子 孫 が継ぐという継承方法
理論的な意味での継承者の数が非常に多くなる
最終的にはほとんどの国民が継承権を持つことも有り得る
王位・皇位の「由来」への着目 重視度は低い
王・皇の位が 独占的な相続物、既得権的となり、今現在が重要 となりがち
利権世襲、独占世襲となり、地位差別是認 貴族制と繋がる
今、王であること 王の近親であることが重要
取った者勝ち、正義は力・力が正義の近視眼的となる
王族でも 王の兄弟となれば王位が回ってくることは少なく
王族同士が協力をしようという気持ちが生まれにくい継承方法
浮き沈みが大きく 人心が離れ王皇の公開処刑、断絶などもあった
当初一系継承でも なし崩し的に直系継承に変わる例もあり
という形になります

一方
2 一系継承の文化的な特徴 です
王位皇位の「由来」に着目して重んじる 長期視点の継承方法
始祖・初代など王位・皇位の起点・成り立ちを重視し
その由来、理念を引き継いでいこうという継承方法
過去:先祖と 未来:子孫の間に 現世:自分たちが位置していて
過去と未来から「世代を預かる」 という役割を意識する継承方法
起点が男であればその男・父から 息子への流れで系統を捉え、
起点が女であればその女・母から 娘への流れで系統を捉える
性別、男か女かの分類でどちらか一つの系統 流れ
父から息子、あるいは母から娘に限定することで
実の子がいても他の家・傍系への移行が生じ
これにより王位・皇位の由来が時の王・皇本人ではなく
先代・先々代へと遡る 起点・成り立ちのいわれと 代々の積み重ねにあると
「由来」を意識させ 長期視点を喚起する継承方法

直系継承と比較して傍系移行が多くなる
王皇の直系子孫以外でも王族皇族同士の協力が機能しやすくなる
王皇に実の子がいてもその子に継がせずに
他の家に王・皇の位を譲るという意味で、
男系一系も女系一系も双方共に 非常に抑制的で
王皇 一家の無私によって成り立つ ストイックな継承方法
王皇の位を先代、先々代、ひいては初代からの預かりもの
と捉える長期視点、未来・子孫への責任意識が強い
利権世襲 独占世襲ではなく 預かり世襲 非独占世襲となり、
生まれ差別禁止と矛盾しない
という形になります

一系継承においては
男系一系も女系一系継承も同様にストイックで価値ある継承方法となります
男系一系と女系一系を比較して男系一系の優位を見出す必要、説明する必要は有りません
男は種、女は畑などナンセンス、Y染色体論も無用です
男系か女系か、なぜ男系か ではなく
なぜ直系ではなく一系か という比較こそが意義ある形になります

男系から女系に、あるいは女系から男系に 途中で変わることはありません
仮に変わるということは 由来の転換、始祖・初代等の起点を変える ということになります

これが基本となる
王位・皇位の世襲方法分類 直系継承と一系継承の文化的相違になります


さて ここで もう一つの基本 について話をしたいと思います

王・皇の存在 王位・皇位の継承方法を論ずる上では 二つの基本があります
一つは 先ほどの世襲方法分類
直系継承か 一系継承か
そしてもう一つは 王・皇制の危険性、リスクについてです
すなわち 王統断絶・国王処刑・恐怖政治の歴史についてです

日本は恵まれた国で 皇統断絶・恐怖政治の経験がありません
それは良いこと、恵まれたことなのですが、逆の意味では
ずっと天皇は続く と安易に考えられていて それが危険 という面もあります

本来、王・皇制、国王、皇帝、天皇等がいる国の仕組みは危ういもの、リスクのあるものです
上手くいっている時は良いのですが
一旦歯車が狂うと非常に恐ろしい結果、国民同士の殺し合いにも至る
怖い制度だと認識を持っておくこと、安易に考えては危険という用心の心を持っておくことは
非常に重要となります

実際、西欧の王室においては 王統断絶・国王処刑・恐怖政治の歴史があります

これからする話は、怖い話で
どれだけ人が、社会が 狂った形になるのか、という話です
小中学生にするのはどうかと ためらう気持ちもあるのですが
でも、危険なこと、危ないんだよというリスクを教えられないで 危険性を知らないままに
軽いノリで いいじゃん どっちでもいいよ とやってしまって
自分たちが恐怖政治に巻きまれることになったら イヤですよね
どうして大人なのに教えてくれなかったんだ という形になると思います

日本で 恐怖政治が起こらないように
自分たちが、あるいは自分たちの子や孫が 恐怖政治の犠牲者にならないように
安易に王皇の制度を変えるのがどれほど危険か 近視眼でいては自分に返ってくる
そのリスクがあると 危険を知ることが大切ですので

その意味で、実際にどういう歴史があったのか
どういう風に狂った形になるのかを 説明しておきたいと思います

中学生はもう習っているかもしれませんが
イギリスでは 清教徒革命 ピューリタン革命がありました
これは単に 革命で社会が変わったということではなく
当時のイギリス国王 チャールズ1世を 処刑している革命です

革命のリーダー クロムウェルは 国王との戦争に勝った後
国王を裁判にかけて それで公開処刑としています
1,600年代ですが この頃は 斧で首切りです

クロムウェルは 国王を処刑し 自分は「護国卿」という立場で政治を行います
これに対してイギリスの議会は、クロムウェルに 国王になって欲しいと要請します
クロムウェルは断りますが、議会はまた 国王になるよう要請します
2回要請しています

この点が非常に重要です
国王に戦争で勝って国王を殺して権力を握ったら その人が新たに国王でいいよ
というのが 西欧の王室、国王の考え方です
日本では考えられませんね
大名や将軍は戦争で勝ったらなれますが 天皇にはなれません

そもそもの国王の位置付けが全然違う
覇道、勝ったら正義 国王で良い 分捕りものの地位
今、勝って、実際に権力を握っている ということが重要
それが理由、正当性になる というのが 西欧における国王の位置付けになります
このイギリスの例は その典型となります

やがて、クロムウェルは病気で死にます
息子が2代目を継ぎます
息子は父の様に力がなく2代目を辞任します
そうした流れの中で、かつての国王側が力を盛り返して国王制度を復活させます

問題はここからです
国王側は、革命で国王を処刑とした裁判官を 次々に捕まえて殺しています
それも普通の殺し方ではありません
首吊り 内臓えぐり 4つ裂き といった処刑です

そして 革命リーダーのクロムウェルは 既に死んでいるのに
クロムウェルの墓を掘り起こして 死体を出し 絞首刑にしています
死んでいるのに 死体を首つりにしているのです
それだけでなく その後 死体を首切り
その首を屋根の上に晒し
20年以上も晒し続けていた というのが イギリスです

次にフランス 1,700年代 フランス革命です
ここでも国王が処刑されています
ルイ16世 そしてルイ16世の妻:王妃 マリーアントワネットです 有名ですね
この当時は ギロチンで公開処刑、首切りです

国王、王妃だけでなく、国王の妹もギロチンで殺されています
この妹は、国王と王妃マリーアントワネット そして子供たち 娘と息子 に
とても親切にお世話をしていた人です
そういう人も殺されました
そして 国王の息子 王位継承者のルイ17世 まだ子供でした 6歳とか
最初は母親、家族と一緒に監禁されていましたが
やがて一人だけ離されて監禁され 結局死なされています
詳しくは分かりませんが トイレもない状況で 部屋にそのままうんちをするような形で監禁されて
結局病気になり死んだとされています
フランスも日本と同じ一系継承 男系一系の国で
息子は王位継承者だけど 娘 姉の方は王位継承者ではありませんでした
この姉は助かって 母親の親戚に引き取られた形です

一般に恐怖政治というと ここからのフランスでの例が有名となります
国王、王妃をギロチンで殺した後 王に賛成の王統派もギロチンで殺していきます
その後、王に反対だった派もギロチンで殺されます
国内でギロチン合戦、殺し合戦になった形です
非常に恐ろしい、殺し殺されの世の中です

この他、1,900年代にもロシアで皇統断絶があります
ロシア革命です
ロシア皇帝ニコライ二世 一家全員が地下室で 銃で殺されました

このように、日本以外では王統断絶、皇統断絶、王・皇の処刑の歴史があり
王・皇制はリスク 危険性のある社会体制であることが分かります

こうした王統断絶、皇統断絶の歴史を見る中
どこの国のことでも 歴史を今現在の感覚、常識で 単純に評価することは出来ません
間違っている おかしい と言うのは簡単ですが そうした例も含めて
色いろな段階を経て 社会 歴史は高められてきています
そうした基本的な捉え方が重要になります

とは言え、
今の感覚でおかしいと単純に見なすことは出来ないことではありますが
やはりその当時としても
狂った感覚、狂った時代の流れになっていた面はあると思います
そういう風に、人びとを、社会を 狂わせる要素を持っているのが
国王、皇帝、天皇等の体制になります

おっかないから 王に賛成も反対も言わないで黙っておこう としていて助かるか?
その保証はありません
日和見が一番悪い 日和見をやっつけろ ともなりかねません
一旦民衆の心に火がついてしまったら 民の奔流 流れが起きてしまったら 止められなくなります
そういう怖さがあります

恐怖政治 恐怖体制には色いろな形 展開があり得ます
国内での内乱 内戦 国民同士の殺し合い、分断のような形もあり得ます
絶対的な安全策など ない形になります

だからこそ 本来の在るべきを知り
その本義に沿った 正しい形で運営していかなければなりません
それが一番安全で、革命を起こさせない
人びとを狂わせない一番の方法になります

日本において天皇の在り方、皇位継承を議論する際にも
こうした基本的なリスク、怖さを認識した上で、
なぜ? 西欧では王統断絶・国王処刑・恐怖政治の歴史があったのに
日本では皇統断絶がなかったのだろうと
その理由を考えることが重要です

西欧の王の位置付け、在り様と 日本の天皇の位置付け、在り様の相違とはなにか
継承方法がどう関わっているのか
そうしたものを踏まえずに、安易に変えたら
王統断絶が起こったのと同じ理由で皇統断絶が起こる形にもなり得ます

イギリス、ロシアは直系継承です 女王 女皇帝の歴史があります
フランスは一系継承 男系一系です
継承方法としては抑制的で 日本と違って女の王の例外もありませんでした

単純に 継承方法だけで断絶・王皇の処刑を捉えることは出来ません
しかし、王皇が利権存在、私物化存在として見られるのは危うい形となります
そして、本来国の成り立ち、その国らしさを伝える存在で 国民が国を思う心を高める存在が
逆に 国を思う心 先人、歴代の積み重ねに感謝する気持ちを
損ねるような存在となっている場合などには 危うい形となります

先ほどのイギリスでの革命 クロムウェルに国王になるように議会が要請した例でも分かりますが
分捕りものの王 そして直系継承 利権世襲・独占世襲だと
根本的な位置付けという意味で利権存在として見られ
きっかけがあれば革命や王の処刑に至る危険性はぬぐえません

直系継承において継承者が多くなる イギリスでは5千人以上
継承者と一般国民との区別がつかなくなる継承 と説明しました
しかしそれでも構わない、不都合にならない というのはどういう意味か
各国における世襲の例外を見ることで、特徴が見えてくる面があります
すなわち 王・皇の直系子孫でも継げない 傍系移行になるのはどの場合か

イギリスの場合、直系最優先的とはいえ 庶子では継げません
庶子とはなにか
小中学生に向けて 分かりやすい形で説明する意味で「側室」という言葉を用いますが
イギリス等の場合は 以前から「側室」の子供は直系でも継げない形です
日本は 昭和の皇室典範で変わりましたが 側室の子でも大丈夫という継承方法でした
実際 明治天皇の子供 大正天皇は側室の生まれで即位しています
イギリス 西欧の場合は 言わば「庶子差別」となります
逆に言うと王妃の利権が強いということになります
これは貴族の代表として結婚した王妃の子供ではなく、
他の側室の子に王位を取られたら貴族の特権維持が危うくなるという面
貴族制とも繋がっている要素もあります

王位継承権を持つ人が5千人以上であっても
実際に今、国王、貴族の立場にあるのはこちらで、他はそうでない
そうした 今 現在の価値観 立場が絶対
今 その地位にあることがなにより重要で それ以外は100位だろうが千位だろうがほとんど関係ない
こうした文化、社会的な意識だからこそ、国民の多くが継承者となっても
違和感なく 問題なく 続けていける ということになります

このように 貴族制のある国 そうした文化の根強い社会の在り様と
日本の 全く別な文化背景を考慮せずに
西欧でこうだから日本でも というのは 全く理に適っていません

2つの基本を分かっていない大人たちは、こういう形で勘違い 捉え違いをしている形になります

また王の結婚も 非常に大きな要素となります
そもそも国王 皇帝 継承者の結婚は 公的な意味合いを持ちます
当人の個人的な感情 私感覚で決められるものではありません
継承者が結婚を私感覚で決める
結婚相手が 王・皇の成り立ち 国の成り立ちのいわれ
それを受け継ぎ守ってきた歴代の王皇・各時代の民の蓄積に思いを致さず 蔑ろにする
継承者を生み継いでいく役割を軽視する
このような形になるならば
それは王位・皇位の私物化 歴代の積み重ねの 軽んじ 蔑ろとして
人心が離れ 支持が失われる原因となります

フランス革命 マリーアントワネットの例は
外国人との結婚というリスクを示している例と言えると思います
外国人と結婚しても上手くいっている例もあり、全てが危険 というわけではありませんが
マリーアントワネットの処刑の際は、「マリーを殺せ!」という声の他に
「オーストリー女を殺せ!」という民衆の声があった様子です

マリーアントワネットの母親は 当時有力な国だったオーストリアの大公で
名家ハプスブルグ家の頭領でもあったマリア・テレジアです
国の由来 アイデンティティに直結する王・皇の存在、意味が 結婚相手により損ねられる
国民が自分の国を誇りに思う気持ちが低くなってしまうような結婚では
人心が離れてしまうことになります
王・皇の結婚は国を左右しかねない という意味で 教訓とすべき例になると思います

日本の皇統 天皇の場合は一系継承であり
君民共治で皇位を利権化しない・私物化をしないという存在です
この点は皇統断絶がなかった理由、西欧との相違という意味で非常に大きいと考えます

この根本を変えてしまったら、日本でも利権天皇への離反、皇統断絶が起こり得えます
日本だけが特別で 安泰で居られる という保障はありません

王・皇の体制はリスク 危険性のあるもので 恐怖政治 内乱 国民の分断なども有り得る
皇位継承は 天皇の在り方に直結する問題で 安易に変えたら
日本でも皇統断絶が起こり得る という基本的な危険性の認識が必要で
その上で 歴史、伝統を踏まえた
浅はかではない 慎重な議論が必要なことが分かったものと思います

以上 2つの基本の話をしました
王位・皇位の世襲方法分類
王統断絶・恐怖政治等のリスクについてです

この基本は 王・皇の意味・役割 王位・皇位の継承方法を論ずる上で
知っていなくてはならない 大切な事柄になりますので
今後 誰の話を聞くにしても 役に立つことになります

基本を知った上で話をしている人か、そうでない人かの見分けがつく形となります

王様は裸だと言った子供の様に
相手が大人でも 大学教授でも
基本を知っていないで言っている話だ と
見抜くことが出来るようになります


2つの基本を踏まえた上で
あらためて 日本の皇統 歴代の皇位継承を辿ってみたいと思います

日本の皇位継承は一系継承が基調となっていて
直系継承との比較において和的な特徴がありますが
純粋な一系継承ではなく 女性天皇や南北朝の分裂など
例外もある継承だったことが見えてきます

時代の状況とも連動していて
天皇が直接的に政治に関わる時代においては、
天皇・継承者達も権力闘争の当事者となり
殺したり、殺されたりもあって
正直 キレイな継承、純粋な一系継承ではなかったことが分かります

この点が非常に重要です
基本があると、歴史を冷静に見ること 判断することが出来ます
歴史 過去を 無条件で礼賛する必要はありません
過去における事例を教訓として捉える
今の時代に繰り返してはならないものとして捉えることは
歴史、伝統を軽視すること 否定することにはなりません

日本の先人は、過去に良くない例、模範とはならない例がありつつも
それを修正して 高めて来た歴史があります
それこそが重要で そうした高め 伝統の昇華をしっかりと受け継ぎ
崩さないこと 更に高めていくことこそが 重要となります

皇位継承の歴史的段階上昇という意味では、
明治の立憲君主制・皇室典範の制定によって
ようやく純粋一系継承が可能となった歴史の段階、伝統の昇華となります

正直 今の大人たちにはこうした考え方に欠け
現在の法制 皇室典範の意味合い 高度さが分かっていません

基本がない 世襲方法分類を分かっていない
基本の一系継承 純粋一系というものを理解していないので
歴史 実際の継承例の どこがどう一系継承とズレているのか
何を守り 何を変えていかなければならないのかが見えておらず
伝統が大切という大人たちでも
全部を正当化 理由付けしなければならない という考えで
後からのこじつけ 言い訳を行っているような状況です

皇位継承の歴史では
殺し合いも 道鏡事件も 南北朝の分裂もあったのですから
全部を正当化して 最初からキレイな伝統があって それがずっと守られてきた
というような形で考える必要はないのです
むしろ そうした過去の正当化は
過去の反省・教訓を踏まえた伝統の高めを
また崩してしまうことに繋がります

今の大人たちは 皇位継承を知ろうとして 皇室典範第一条の規定を見ています
これ自体は良いことで 問題はありません
第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
「男系の男子」という規定を見て
男子は分かるとして、男系とは何か ということで調べます
そこで 父 また父と辿って起点 初代の神武天皇に繋がること と捉えています
これ自体は 間違いではないのですが
それでは 男系で繋がれば良いのか と言えばそういう継承方法ではありません

この点 基本の一系継承が分かっていないので
男女差別だから女性が天皇になって自由に結婚できるように変えよう とか
男系で繋がればいいんだろ 父を辿って神武天皇に繋がればいいんだろ
と非常に安易に考えてるのです

先ほど説明した
長女と次女がいて 長女が継いだ
長女には娘はいないが息子はいる という状況です

ここで 女の王・皇の赤い線で繋がっている関係が
女の王・皇の 女系の繋がりとなります
男の場合は 女系の男子 女の場合は 女系の女子となります

男系一系の場合も同じく
青い線で繋がっているのが男系で 男の場合は男系男子 女の場合は男系女子となります

ここでは 長女の王・皇には 息子はいるけど 娘はいないという形です
この息子は 女の王・皇の直系の子孫であり 女系男子です
女系における女系男子だから 王位・皇位を継いでも良い
女系女子である二女の娘と結婚すれば 生まれた娘は女系女子となり また継げる
という考え方は どうでしょうか

一系継承の基本 その意味合いを理解していれば
こうしたやり方が一系継承の趣旨に反するやり方だと分かるでしょう

日本の皇位継承においても
現在の法制で禁止されているだけでなく
過去において一例もこうした継承例 結婚の例はありません
結果的に男系で繋がっていればよい というものではないのです
という点こそ、読み取るべき点となります
基本があれば、それが分かります

こういう女系一系の継承を 息子がいるのに息子が継げないのは男性差別だ
男性蔑視の継承だから男性も継げるように制度を変えるべきだ!
と言う人がいたら どうでしょうか
基本を知らない大人は そうしたことを言う形になります

また 養子にしても同じです
長女に娘がいないから 二女の娘を小さいうちに養子にもらって それで継がせれば女系は繋がる
という事には なりません

これらのやり方は、王位・皇位の由来を重んじるのではなく 逆に蔑ろにして
時の王・皇 この場合は長女に由来させるという継承方法であり
王位・皇位の私物化 獲った者勝ちの継承方法となります

由来を転換させるもの 同じ女系内で王朝交代をするものになります
初代の成り立ち というものを蔑ろにして
それよりは 時の王・皇 今の王・皇を優先し
その直系・あるいは養子による疑似直系の繋がりを優先する というやり方になります
一系継承の考え方からして許されるものではありません

一系継承とは 女系一系の場合に女系で繋がれば良い という継承方法では ありません
同様に 男系一系の場合に 男系で繋がれば良い という継承方法では ありません
日本の皇位継承 現在の法制 皇室典範でも
こうした例は禁止されています
でも 今の大人たちは この意味が分かっていません

大人たちは 基本の世襲分類 継承方法分類 直系継承と一系継承の相違が分かっていないので
一系継承の本当の意味 由来を重んじるという意味
王位・皇位の私物化は許されない という意味が分かっていません
それで、男女差別だから変えるべきだ とか
天皇の娘は男系女子で 男系で繋がるから即位しても良い
男系男子と結婚すれば 生まれた子供は男系で 息子が生まれれば男系男子になるから次に継げる
などと言っています

また、養子でも良い
男系男子を養子にすれば、男系は繋がるので養子をしたら良い
などと主張し 今の法制を変えればよいと言っているのです

そしてヒドイ例では、
男女の産み分けをしても良い それでも男子で繋がれば男系継承は保たれる
というような考え方でいるのです

基本と応用、基本が大切 というのは こういう意味です
基本がない大人たちは、一系継承の意味が分からず
男女差別だから変えるべきだ とか
結果的に男系で繋がれば良い という形で考えてしまっています
それで 本来の一系継承の抑制的な意味を損ねる
由来を蔑ろにした 時の天皇による私物化の継承をよしとしているのです

そもそも 基本を分かっている人 一系継承の意味が分かっている人は
「男系継承」という言葉を 安易に使いません
「万世一系」という言葉、表現はありますが、「万世男系」という言われ方はしません
男系で繋がれば良い、という継承方法ではないことが分かっているからです

「男系継承」という言葉を使う人が、全て基本の一系継承を理解していない人とは限りませんが
どの意味で「男系継承」と言っているのだろう と注意して見てみれば
基本の一系継承を理解しないで言っている人はすぐに分かる形になります

万世一系とは 日本の皇統 皇位継承の歴史において
キレイとは言えない過去もあったことを自覚しながら
あらためて純粋な形で一系継承を確立させ、それを今後1万世代に渡って続けていこう!
という未来への意思を込めた形で万世一系と言っている形になります

過去を自慢する意味で使われている言葉ではありません
基本があれば 基本の一系継承を理解していれば、
過去を間違いなしとして自慢する気にはならないこと
そういう歴史ではないことが分かります

先人への感謝、歴史や伝統を大切にするとは
過去が全部正しいという見方ではなく
過去の反省、教訓も踏まえながら、いかに高めて来たか
普遍的な価値、やり方を見出してきたか、
その変遷、知恵を見抜き、そこを評価・感謝して
しっかりと受け継いでいこうという立場のことを言います

皇位継承の基本を踏まえ 世襲方法分類を理解し 皇統断絶のリスクも意識しながら
先人が高めて来た歴史、 由来を重んじる継承を 損ねずに
私物化させずに しっかりと守り 未来に渡していくことこそが重要になります
こうした気持ちを
今後万世に渡って 由来を重んじる抑制的な一系継承を続けていこう!
という意味を込めて 「万世一系」と表現し、誓っている形になるのです


あらためて 日本の皇位継承を整理したいと思います
最初に肝心な点を 2つ話します

一つ、皇位は預かりもの
二つ、皇位の私物化は許されない

皇位は時の天皇、天皇一家の私物、利権・既得権、家督・相続物では ありません
そして、皇位を誰から預かっているのか と言えば
初代の神武天皇から預かっている形になります

神武天皇は、そもそも神さま、天照大御神に繋がるとされていますので
実際にいたかどうか 人なのか神なのか 科学的な証拠や 史実としての裏付けを根拠としたものではなく
初代天皇として 神武天皇という人がいた という 伝承に基づく文化的理念的な存在の想定
いたとされる という謂われが根拠で十分 という位置づけになります

肝心なのは、神武天皇が 何をしたとされているのか
神武天皇から 何を預かっているのか という点になります

2月11日は 建国記念の日です
これは初代天皇 神武天皇が即位をした とされている日です
神武天皇は 日本という国をつくった この日本を 国としてまとめた人 とされています

そして どうまとめたかというと
この点がすごく重要なのですが
一言で言うと 和の国 としてまとめた形になります

逆に、和でない とはどういうことか
それは覇道の国で 力は正義、正義は力という 力による支配の国です
強い者 権力を握った支配者が 民から収奪をする 富を吸い上げる体制です
神話の言葉では「ウシハク」と言います

神武天皇は、日本を覇道の国、力で支配する「ウシハク」の国とは別に
和の心で統治する国 としてまとめました

覇道に対して天道 お天道さまに沿った形です
国には多くの人がいて、それぞれに色いろな考え方があるという前提で
それでも 国全体で幸せ、安心を高めていくには 共通のルール、理念はあるよね ということで
和の理念への共感、共有を基にして 国を運営していく形です

「民のかまど」 という言葉がありますが
国がまとまるには、一部の誰か、特定の集団、階層だけが得をして
多くの国民が苦しい、奴隷のように使われるような形では 共感、共有、和にはなりませんね
小中学生のみなさんの身近な例で言うなら 給食です
おそらく 今の大人たちが食べていた給食と
皆さん達が食べている給食を比べると
地域にもよるとは言え 今の方が貧弱な形になっていると思います
権力を持った層だけが得をして 力のない 子供たちが日々の給食 衣食住という面で貧しい形になる
こういう状態を 「民のかまど」とは 言いません
これとは逆の状態こそが 「民のかまど」です
正直、今は、残念ながら 和が崩れている状態です

「一隅を照らす者は国の宝なり」
人にはそれぞれ得意や役割がある
国民がそれぞれの形で幸せに かまどからご飯を炊く煙が上がって
結婚して 子供を生んで 親子 兄弟 家族仲良く 安心して暮らしていけるような国にしていこう
特権階級が民から富を吸い上げるのではなく、広く分け合ってみんなが豊かさを感じられる社会にしていこう
というのが和の国で
こうした国のあり方を「君民共治」と言います
神話の言葉では「シラス」となります

和の国、君民共治、「シラス」の国になるには、権力を持った側が、権力を好き放題に使うのではなく
仲間内で特権階級となって 国民から富を吸い上げるような形ではなく
権力層が固定化しないように 上級国民と下級国民 などに 分かれることがないようにしていかなければなりません
そのために一番大事なのは 天皇自身が特権階級にならないことです

そのための仕組みが 日本の皇位継承には組み込まれています
それが 一系継承です
一系継承は、ルールの厳しい継承方法 抑制的な継承方法です
天皇が自分の都合、家族の利益を優先して
皇位を私物化して継承させることが 出来ないルールになっています

天皇が継承ルールに基いて、自分に子供がいても傍系の他の家に皇位を渡すのが
日本の皇位継承 一系継承の 最大の特徴となります

そして、この傍系への皇位の移行によって 天皇とその周辺が特権階級にならず
既得権層が固定化して 国民から富を吸い上げる構造が維持されることなく
既得権層、既得構造を崩すことになるのです

日本が和の国、君民共治のシラスの国として続いていくために
天皇が利権化しない、特権階級とならない仕組みとしての一系継承、傍系移行が重要なのです

シラスと皇位継承 一系継承 傍系移行は 直接的に繋がっているものです


まとめに入ります

平成、令和における皇位継承議論の本質は
「男系か女系か」ではなく「一系か直系か」となります

すなわち「一系を守り続けるのか、直系に変えるのか」こそが論点であり
「和」を尊重し受け継ぐのか捨て去るのか が皇位継承議論の本質、究極的選択となります

女性と女系の違い、女系になったら終わりではなく
男系女子の女性天皇による直系継承自体が
また養子が
皇位の私物化として排除・禁止されているのが
先人の積み重ねを踏まえた 伝統の昇華足る 現行法制 皇室典範の規定
純粋一系継承であり、先人の英知、戒めとなります

この基本、天皇のそもそも存在意義に基くならば
皇位継承問題の解決方向 今すぐに為すべきことは一つしかありません
それは傍系移行が出来る体制の整備です
複数の宮家、皇位継承者が 並立・並走していてこそ
いざという際に 皇位を傍系の他の家に渡すことが出来るようになります

具体的には もともと皇統のバックアップとして長年に渡って受け継がれてきた
世襲親王家 旧宮家があるのですから
この子孫から数名を 皇籍に組み入れ 皇族・皇位継承者とすること
新たな宮家を設立することこそが 必要となります
ここでは 養子は不要です

基本と応用 基本が大切
基本を踏まえることで 小中学生のみなさんでも
天皇 皇位継承に関する考え方が つかめたものと思います

随分と長くなりましたので 今回の話 前半 はここまでとします

後半では
憲法の話や 個別の具体的な説明などを予定しています

最後に 後半までのクイズ クエスチョンとして
一つ例を挙げておきます

Q 日本の皇位継承、一系継承においては天皇の娘が皇位を継げないだけでなく、天皇の長男・一人息子でも一生
100歳まで生きても、150歳まで生きても 皇位を継げない場合があります。
これはどういう場合でしょうか。
皇位継承制度の理念・趣旨に基くもので、個別の属人的事情に伴う皇室典範3条:いわゆる廃太子条項による例とは別の場合です

kouikeishou.jp
今回のような 天皇・皇位継承の話は ブログで説明をしていますので
文章として理解する意味では こちらをご覧ください

長いスライド動画 説明となりましたが
最後までご覧いただき ありがとうございます

それでは あらためて 次の「後半」にて

以上

https://www.youtube.com/watch?v=GBObl77ZQE0
71分43秒

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