究極例:東京隕石衝突における皇位継承

究極例をシミュレートすることで本質が見えてくることがあります。
仮に東京にある程度の規模の隕石が衝突して皇族方全員が亡くなった際にどういう皇位継承となるか。
大規模感染症や地震、噴火、テロなど、皇族全員死亡の理由はいずれでも同様です。
「皇族数の減少」など想定が”緩い””ぬるい”形だと見えて来なかったものが、「全滅」という限界的な想定だと否応なく明確になります。
天皇存在、皇位継承の理念、本質を確認する意味で有意義なシミュレートであり、従来欠けていた点と考えます。

まず最初の点として、仮に現在の皇族が全員死亡となり皇族がいなくなったとしても、日本においてはあらためて天皇が皇位に就く形となります。
第26代継体天皇の継承例が参考となりましょう。

政府機能という面では、仮に総理大臣が死亡したとしても代りの大臣が政府機能を維持させ政府自体が無くなること、無政府状態になることはありません。
その面での想定、基本的な法整備はなされています。
(更に危機管理の度合いを高める法整備の余地があるにしても)

一方で、皇位継承、皇族の地位に関しては、こうした危機における法整備はなされていません。
現行法制、皇室典範等は伝統の昇華を踏まえた高度なものと捉えますが、完璧でない点はあります(限界事例における規定に重大な欠陥があると言って差し支えないと思います)ので典範の基本理念をしっかりと具現化出来るように法整備・法改正の必要があると考えます。

具体的な想定として、隕石衝突等で現在の皇族が全員亡くなられた後、現在の法では皇位継承が出来ないこととなります。
(皇室典範15条 皇族以外の 及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。)
その際、天皇はなし、いなくてよいという話になりますでしょうか。

確かに皇室典範の規定においては対処のしようがありませんが、憲法1条に「象徴」「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」という規定がある以上、国民的な文化的共通認識に基いてあらためて「日本国の象徴」であり「日本国民統合の象徴」である天皇の位置付けを得ることこそが憲法に則った在り方になると考えます。

※例えばベルギー王国では、憲法で王の子孫・王位継承者が不在の場合、両院(元老院・代議院)の2/3による後継者の議決・指名が無ければ国王は空位(→ 王室廃止)になると規定されています
(既得権としての現状の王位・王制は認めつつも)継承者が生まれない、死亡の場合は、国王は無くても良い、王室は絶対的に必要な存在ではない(一つの議院で1/3超の反対があれば後継者は王となれない=多数決51%よりはるかに少ない34%の反対でも簡単に王制廃止可能)という位置付けとなります
そもそも西欧の王と日本の天皇は国・国民との関係における位置付けが大きく異なるものであり、日本における「象徴」「国民の総意に基く」という憲法の規定がいかに重いものか、天皇の不在・空位など認められない規定かがあらためて認識されます

憲法1条の意味、重み

皇位継承における世襲、皇室典範の根本理念は、典範1条に規定される通り「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」(民間にある神武男系男子は数万人~)という形になります。これは上記憲法1条、2条(世襲により継承、皇室典範で定める)と整合し、皇位継承者の不足・不在により天皇が不在・空位になることはないという規定です。
実際に皇統に属する男系の男子、すなわち神武一系で繋がる男子が東京以外等で居る以上、その男子を継承者として皇位を受け継ぎ天皇としていくことが憲法・皇位継承の理念に則する形となります。
これには第26代継体天皇の即位の事例が参考となります。
すなわち、先代の系統とは遠く離れた系統、繋がりでも、初代神武天皇からの繋がり(建国の和への原点回帰性)に鑑みて天皇の正統性を捉え位置付けるという考え方、事例です。

一方、皇室典範においては、第2条で「皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える」との形で「皇統に属する男系の男子」でありつつ「皇族」という条件を規定しています。
そして、15条で「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない」と規定していて、皇族が全員いなくなった場合、皇族に男系男子の継承者がいない場合に対処出来る、天皇の空位を回避する規定は設けられていません。
すなわち、憲法1条、2条と、皇室典範1条、2条は整合しているのに、典範15条がそれらに矛盾し不整合で危機における皇室再建の重大な障害になっているという状況となります。

皇室典範15条は、皇室典範1条 2条と同一法律内での「条文矛盾」であり(民間にある「皇統に属する男系の男子」が皇族となり皇位を継承出来ないのなら、1条の意味はなく不要となり、2条を「皇位は、左の順序により、皇族”男子”に、これを伝える」としつつ1条にすればよい形になります)、違憲立法とさえ位置付けられる欠陥規定と捉えます。

このことは、隕石衝突等のシミュレートで明らかになるように危機管理上の漏れであり、完全な不備となります。
あらためて、民間にある「皇統に属する男系の男子」を皇族に組み入れる規定を整備(皇室典範15条等を改正)することが必要となります。

そもそも、皇位、皇族の地位は初代神武天皇からの繋がり、神武天皇による和の国としての建国に由来・原点回帰するものであり、時の天皇、皇族の既得権、狭い直系での相続物ではありません。実際、法制上の天皇・皇族における門地的位置付けは非常に限定的であり、終身利権化や代々に渡る固定的な特権維持が出来ない仕組み、数世代毎に入れ替わるような制度設計になっています。
日本の皇位継承は、独占的な利権の相続、「独占世襲」「利権世襲」ではなく、役割を預かる世襲、「役割世襲」「預かり世襲」となります。
このことは以下の例のように、胎児継承に特別の扱い(猶予規定)がないこと、また世襲宮家(世襲親王家)のそもそもの位置付けにおいても明らかとなります。

天皇の長男でも天皇になれない妊娠時崩御 家督・相続物でない証左

世襲親王家に見る先人の深謀遠慮、卓越

時の天皇、皇族の系統で皇位継承者が得られない場合は、初代神武天皇からの繋がりに立ち返って、民間にある「皇統に属する男系の男子」を皇室・皇籍に組み入れ皇族、皇位継承者とすることが重要です。
これにより、神武建国の和に「原点回帰」することになります。
そもそもこれが皇室典範(1条)の根本的な理念、皇位継承の位置付けとなります。
このための基本的な法整備、これと矛盾する皇室典範の改正を行うことが必要です。
(ここで、民間にある「皇統に属する男系の男子」の具体的な人選、皇籍への組み入れ手続きは、高度な統治行為として皇室会議議長でもある内閣総理大臣が取り進め、皇室会議の議により決する流れが重要と考えます)

このようにシミュレートをしてみると、民間にある「皇統に属する男系の男子」の皇籍への組み入れに際して、「婚姻」と絡めたり「養子」であるとか「組み入れ当人には皇位継承順は付けずに新たに生まれた子から継承順を付ける」(皇族全滅の場合、組み入れ当人に皇位継承資格なし・次世代からとするなら天皇のなり手は存在しないこととなり、次世代が生まれるまで天皇は空位となり憲法1条「象徴」「国民総意」に矛盾する)などの考えがいかに小細工・浅慮で無用なものかが明らかになるものと思います。

ましてや「一般国民が皇族・天皇になるのは憲法14条 門地差別禁止に反する憲法違反」などという主張は全くの的外れとなります。
この論理に立つならば、
・皇族が全員死亡したら残るは一般国民だけ
・一般国民から神武男系男子を皇族とするのは門地差別だから禁止
・皇族・天皇のなり手がいなくなり永遠に皇室の再建は出来ない
という形になり、制度論として全く再現性がない論理、時の皇族をなくせば天皇・皇室制度を終了・消滅させることが可能という論理になりす。

この論理は、将来に渡る”安定的な皇位継承”以前に、現存の皇室・皇族の身の安全さえも脅かす論理で、「今の皇族を殺してしまえば日本・皇室を終了させられる」という形でテロ側に暗殺のインセンティブを与え、皇位継承・皇室存在をかえって不安定にさせるものであり、上記のような皇族全滅のシミュレートにより全くの浅薄・愚論ということが明確になります。

そもそも皇室典範附則「現在の皇族は、この法律による皇族とし」でも明らかなように、天皇・皇族自体が日本国民であり、日本国民の中から初代神武天皇との繋がり、建国の和への原点回帰性により「皇統に属する男系の男子」の立場で皇族となり、皇位継承順に従い天皇となるというのが日本の皇位継承システム、憲法・皇室典範の根本ということが、このシミュレートにより明らかになる形です。

法の理念、本質は、極端な究極例をシミュレートすることによって、余計な判断が排除される形で浮き彫りになる、見えやすくなる場合があるものと思います。
そして日本における天皇の位置付け、皇位継承の在り様に関しては、今回のような危機、全滅からの再立ち上げを考えてみることで、何を失ってはいけないかという中で見えてくるものが多いもの、大きいものと捉えます。

こうしたシミュレートを踏まえ、あらためてこうした事態に陥らないように、危機を未然に防ぐ意味において、早い段階での旧宮家子孫からの皇籍への組み入れ、宮家設立が必要となります。
当然婚姻や養子は無用、組み入れ当人に皇位継承順を割り振る形です。

単独で皇籍に入って暮らしていける方という意味から年齢は成人を超えた方で、新たな宮家の当主・王殿下となられた上で、妃殿下を迎え次代の継承者の層を厚くしていってもらう形となります。

また居住エリアにおけるリスク分散という意味において、東京以外の各地に宮家を置く対応も早い段階で取り進めが必要と考えます。

過去:先祖・先人から受け継いだ皇統を、今あらためて確立し直し、未来:子孫に確かな形で渡していく意味において、いつまでも皇統・継承論の本筋から離れた話(男系か女系か、女性と女系の違い等々)を続けているのではなく、「皇位を私物化しない」傍系移行、一系継承の本義に基づき旧宮家子孫からの皇籍への組み入れ・宮家設立を進めることが重要です。

その上で、更に安定度を高める、和の継承・運営度を高めるような建設的な伝統の昇華方向に関してこそ議論を深めていきたいものです。

* *

なお、更なる究極例として、何らかの原因により東京に限らず日本の各地で多くの人々が亡くなるような事態が起こった場合にどうするか。
ある程度明確な形で神武天皇との繋がりが確認出来るような男系男子が見つからないような場合です。
その時代における日本人の見識、英知が問われる形となります。

そもそも神武天皇は天照大御神に繋がる存在として位置付けられています。実在性や史実といったものが根拠となって存在意義が認められるような存在ではありません。

神武天皇の実在性、Y染色体

日本の歴史における、また国家的な緊急事態に際して、時の政府の責任において、「神武天皇に繋がるとされる」適任者を複数名得て皇族とし、天皇を位置付け、皇室を再興していくことこそが過去(先祖)・未来(子孫)からその時代を預かる日本人の役割、当事者責任になると考えます。

誰なら良い、誰なら良くないといった話以前に、いかに自分たちの世代、当世の日本人全体で皇室を再興し、良い形で次世代に引き渡していくかという役割意識を認識することが重要となります。
そうした国民意識になった時、誰を選んだとしても国民全体で在るべき天皇、在るべき皇室、在るべき日本の形ということで、皇位を私物化しないで民のかまどを高める「君民共治」を再興していくことこそが重要との共通理念が生まれるものと考えます。

つまりは、神武天皇:日本の和の国づくりからの預かりものは普遍的な形で高められ確固たるものになっているのであり、日本人はどんな状況でも、何度でも、天皇陛下と日本を建て直し、作り直していくことが可能ということになります。
この認識、確認こそが、究極事例のシミュレートの意味であり、本当に力強い日本、安定した皇室・皇位継承の考え方で、テロ等を助長しない理念(皇族・男系男子を殺しても無駄)、在るべき、作るべき日本の確認という形になります。

 

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