「民の奔流」の恐ろしさ 王統断絶・国王処刑の西欧歴史

王皇制は安定している時はよろしくも、一旦国民との間に不信感が芽生えたら王皇の処刑(暗殺とは別に)や恐怖政治(王皇派も処刑、反王皇派も処刑等)にも至る非常に恐ろしいリスクもはらんでいる体制となります。
王皇制、王皇と国民との関係がいつまでも今までのように続く(安定)と安易に考えて王皇の在り様、継承方法等を考えること、改変することは非常に危険なことで、王皇の処刑や恐怖政治にも繋がりかねないというリスク認識こそが議論の大前提となります。

今の皇位継承議論において決定的に欠けているのはこの基本認識です。
皇統断絶・天皇処刑の経緯がない日本の歴史が特異で恵まれたものです。
他国においては王統皇統の断絶、王皇の処刑、恐怖政治の過去、歴史があることを十分に検証した上で、日本においてもそうならないようにとの慎重さ、深謀遠慮に基き議論を進めていく意識が必要不可欠となります。

中学の歴史教科書にも出てくる範囲で以下のような王統皇統の断絶、王皇処刑の歴史があります。

1649年 イギリス 清教徒革命(ピューリタン革命)
 イギリス国王チャールズ1世 公開処刑 斧で首切り
 王政回復後には革命指導者のクロムウェルの墓を掘り死体を絞首刑としつつ首を切って屋根の上に20数年晒し等
1793年 フランス革命
 フランス国王ルイ16世 公開処刑 ギロチンで首切り
 妻マリーアントワネットも国王の妹もギロチン 息子ルイ17世も監禁により死亡
 後に王統派が処刑され、その後反王党派も処刑されの恐怖政治に
1918年 ロシア革命
 ロシア皇帝ニコライ2世 地下室で銃殺
 一家全員銃殺(4女アナスタシア含め)

気の重くなるような非常に恐ろしい事例ですが、事実・教訓としてしっかりと直視検証、認識しておくことが重要となります。
日本において同じことが起こらないように。

また、日本において皇統の断絶がなく長く皇統を維持して来られた秘訣は何だったのか。その秘訣と皇位継承方法はどのように関連しているのか。という視点からの他国王皇との比較検証、吟味も重要となります。
皇位の継承方法は、天皇が天皇たる所以(なぜこの人が天皇となるのか、なぜこの人が天皇にならないのか)を定める法ですから皇位・天皇存在の在り様と密接に繋がっていることになります。
皇位継承方法を変えることは皇位・天皇存在の在り様を変えることであり、皇統断絶・天皇の処刑のリスクを高める可能性もある重要事であるとの認識、後世への責任感を持って議論をすることが必要です。

なぜ日本皇室が世界でも長く126代断絶なく続いて来たのか。
昨今の皇位継承議論においては自国の特異な歴史(皇統断絶のない模範例)を顧みることなく、非常に安易に教訓例(断絶)のある他国の王室を真似る傾向が見られます。
他国との比較,例示においては、それが参考とすべき事例、参考となり得る事例なのか否かの検証がまず必要となります。

実際、令和の即位の礼における数次の饗宴に関しては、国民生活・実態との乖離の観点から批判も出ていて従来の国民意識とは変わってきている状況も見受けられます。
また譲位や女性・女系天皇賛成の論にしても、純粋賛成というよりは天皇の憲法上の位置付け自体を廃止すべきとの認識のもとでの伝統継続否定・改変歓迎の意図も見受けられる状況です。
一旦緩急あればという危険信号が灯っている可能性ありとの慎重な見立てが必要な段階に至っている可能性もあります。

安易に継続を考える、当たり前に思うのではなく、何を変え何を変えないか、本質・芯は何かという吟味こそが重要となります。
歴史、先人の知恵に学ぶ姿勢のない者に未来は作れません。

* *

天皇の長男でも天皇になれない妊娠時崩御 家督・相続物でない証左

国連、外国人の女性天皇質問に際しての応答例

王皇制の危険性・リスク 王統断絶・国王処刑・恐怖政治の歴史に関しては、スライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。

小中学生のための天皇・皇位継承論  1 前半
・小中学生への期待 裸の王様を言うのは子供
・基本と応用、基本が大切
・基本1 王位・皇位の世襲方法分類 直系継承/一系継承
・基本2 王皇制の危険性・リスク 王統断絶・国王処刑・恐怖政治
・基本を踏まえての日本の皇位継承
・皇位は預かりもの 皇位の私物化は許されない 君民共治 シラス

 

コメントを残す

Please comment in Japanese.
Email address will not be published.