憲法1条と9条は繋がっている

日本国憲法1条と9条は密接に繋がっています。
9条の理念は、日本国、日本の文化、和文化、和の心への世界的信頼、共感、尊敬-リスペクトがあって初めて機能-具現化します。
憲法1条で「象徴」(天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴)、「主権の存する日本国民の総意に基く」と位置付けられている天皇の存在、在り様が、世界的な日本文化、和文化への共感、尊敬-リスペクトと繋がらない前提で、9条と切り離されて構想されている訳がありません。

日本国憲法の前文、1条、2条、皇室典範と9条は、和文化、和の心の粋として高度に昇華された日本ならではの価値基盤の上に立つ密接不可分の関係性となります。
憲法14条「門地差別禁止」、憲法25条も「民のかまど」「しらす」という意味で、同様に繋がっていると言えましょう。
憲法、法律条文等も、算数-数学の文章問題を解く論理国語力、論理的思考がないと、体系的に、統合的に読み解くこと、捉えることが出来ないという典型例が、この憲法1条と9条の関係性の把握、把握度合いとなります。
また、専門教科に限らない総合的な知、文化理解が重要不可欠で、日本においては「和」(衣食住レベルの基本踏まえ、帯紐を結べるか、袴をまともに着けられるか等)の理解がないと憲法も理解が出来ないという典型となります。

■憲法1条の意味、重み

憲法1条の意味、重み

■憲法2条 「世襲」の意味

憲法2条 「世襲」の意味

天皇が、憲法1条で「象徴」「主権の存する日本国民の総意に基く」と位置付けられる根本は、日本らしさ、和的さ、和との合致であり、「皇位は預かりもの」「皇位の私物化は許されない」「君民共治」という天皇の在り様となります。
具体的に、天皇の天皇たる所以、誰がどういう論理で天皇となり、ならないのかを定める憲法2条、皇室典範の基本枠組みは「預かり世襲」「制限世襲」「非差別世襲」であり、「男女差別」以前の「人間差別」「門地差別」の禁止に根本矛盾しない形で、天皇家も宮家も数世代毎に入れ替わる制度設計になっています。
憲法1条 2条と14条は根本矛盾しない形で高度に整合しているものであり、安易な「飛び地論」はかえって本質を歪め、飛び地を言い訳にした門地利権化の温床にすらなり得ます。

■天皇の長男でも天皇になれない妊娠時崩御 家督・相続物でない証左

天皇の長男でも天皇になれない妊娠時崩御 家督・相続物でない証左

「王位皇位の世襲方法 分類比較論」、”性に着目するか否か”の分類により、各国の王皇の本質的位置付けは綺麗に色分けされます。

■王位皇位の世襲方法分類 直系か一系か

王位皇位の世襲方法分類 直系か一系か

性に着目しないのは、人間差別、王皇一家の利権・相続物としての利権世襲、差別世襲となり、「王位は分捕りもの」「分捕りものの王位」という形で、革命で時の王を倒せば革命リーダーが次の王になっても良い(イギリス 清教徒革命において時の国王チャールズ1世を公開処刑後、イギリス議会は革命リーダーのクロムウェルに2度も国王就任を要請)という位置付けになります。
王の直系子孫が王位継承権を保持出来ないケースにその王の本質、国の事情が如実に表れる面がありますが、イギリス等西欧の王の場合は庶子には王位継承権が与えられません。
これは、国王だけでなく王妃の利権も強いということであり、事実上貴族階級から出される王妃の利権、すなわち貴族階級の利権意識が強い証左となります。
もっと言えば、王政自体が世襲貴族の利権維持装置的な面を持っているのが性に着目しない直系継承王国の在り様で、分捕りものの王位国家・覇道国家らしく武器を売って利益を売る、戦争を仕掛け経済を回す国家利益構造となっています。

これに対して性に着目する世襲は、男着目の男系一系世襲の他に女着目の女系一系世襲(西アフリカ アシャンティ王国の王母制等)もあり、双方ともに同じ特徴を有します。
それが、成り立ちの由来への依拠性・原点回帰性の強さです。
王皇の位を、時の王皇一家の利権、私物、相続物と捉えずに、預かりものと捉え、直系継承、王の子が次の王になるという直系世襲の連続を当然とはみなさずに危うい面を持つと捉え、人間差別・門地差別、国家における階層・利権の固定化に繋がらないように認識する価値観、文化が背景となります。
これが「預かり世襲」「制限世襲」「非差別世襲」として、傍系移行の積極的な組み入れとなります。
この傍系移行の積極的な組み入れにより、王族皇族間の協力関係、牽制関係もより良く機能する形になり、王統皇統の断絶、王皇の処刑等のリスクを抑止する方向となります。

日本は後者、性に着目する世襲で、「預かり世襲」「制限世襲」「非差別世襲」の制度設計、枠組みとなっていて、傍系移行=天皇の国譲りにより”成り立ちの由来”である「神武建国の和」「しらす」「民のかまど」に原点回帰する、国民の気付きを促す機能が内在されている形となります。

■シラスと皇位継承 シラスが成り立つのは無私抑制の一系継承:傍系移行=天皇の国譲りによってこそ

シラスと皇位継承 シラスが成り立つのは無私抑制の一系継承:傍系移行=天皇の国譲りによってこそ

この原点回帰、和の心の取り戻しには、新渡戸稲造の広義の「武士道精神」(「葉隠」等狭義の武士道・処世訓等とは別)や、宮沢賢治 “農民芸術概論綱要”「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」なども含まれます。

■ 「岩手日報」2003.12.19号 日報論壇 ~ 見つめ直したい和の心
http://nagane.kimono.gr.jp/hideki/messages/25_title_msg.html

■ 「日本国憲法と武士道精神」 ~ 和の心による国づくり 2004.01.06
http://nagane.kimono.gr.jp/hideki/messages/26_title_msg.html

■ 和の国、和の心 ― 天皇陛下と日本 2005.02.18
http://nagane.kimono.gr.jp/hideki/messages/27_title_msg.html

皇位を私物化しない、一家利権化しない天皇だからこそ、和の感化力で国内における階層固定化、利権構造の固定化を抑止し、民のかまど、国民生活の豊かさ向上で世界からも共感、尊敬-リスペクトを受ける国家となり得ます。

■直系の誘惑 直系連続による和の心の崩れと時代状況の変遷

直系の誘惑 直系連続による和の心の崩れと時代状況の変遷

また、武器を輸出し利益を得る、戦争を前提とした経済とは対極の経済構造で国の豊かさを具現化するからこそ、世界から共感、尊敬-リスペクトを受ける国家となり得ます。
こうした文化基盤があってこそ、日本国憲法9条は活き活きとその意味・価値を世界から認められ、世界史・文明史のステージアップにおいて大きな国家的・文化的役割を果たしていく形になるのです。
それが日本らしい、和の文化、国際貢献、国際的な役割の果たし方になるのです。

こうした捉えこそが、先人、右派も左派も共通の日本の知識人たちの基本的な捉えであり、だからこそ日本国憲法1条において「主権の存する日本国民の総意に基く」という条文が成り立った背景でもあります。
経済(資本主義・市場経済か 社会主義・計画経済か)に限らず、「コンバージェンスセオリー」(収束理論)は他の面でもものごとを高度に突き詰めていく中で機能するものであり、天皇-皇位継承に関しても右派も左派も高度な検証の中で立場・イデオロギーの相違を超えて収斂し、人間差別・門地差別禁止に根本矛盾しない天皇・皇室の制度設計として「性に着目世襲」及び「結婚降嫁」「養子禁止」等により皇位・皇族身分・宮家を門地特権化しない形で高度に和的に位置付け・再確認した経緯となります。

今は左派、リベラル側の知性低下が著しく(右派も同様の面がありますが)、天皇一家・宮家の門地利権を強化する方向、預かり世襲から差別世襲への転換(女性天皇、非降嫁、養子是認等)を求め、自ら天皇の配下-隷属存在になろうとしている状況が見られます。
こうした中で、論理必然的に、民のかまどの崩壊、子供たちの給食の貧困さ、高額療養費制度の改悪、武器輸出で儲ける国家への転換等が進められている流れであり、左派は自分で自分の首を絞めているも同然の状況です。
本来的な、知的な左派であるならば、天皇・皇族・宮家の門地利権を拡大する方向ではなく、しっかりと抑止し、天意に基く天皇家・宮家の数世代毎の入れ替わりを疎外させない方向で「預かり世襲」「制限世襲」「非差別世襲」を高度化させていくのが筋となります。
これにより、和の原点回帰を促し、民のかまどの充実、憲法25条における「健康で文化的な最低限度の生活」の高度化を促していくことが重要であり、また武器輸出・戦争を前提としない経済の成り立たせにより、世界からの共感、尊敬-リスペクトを受け憲法9条を具現化、普遍化していくのが筋道となります。

日本国憲法1条「象徴」「主権の存する日本国民の総意に基く」の高度さ、意味内容の深さ、和との連動を解さずに、かつての右派、特高ら同然のお追従尊皇、天皇ご一家崇拝的で「預かり世襲」「制限世襲」を歪めつつ、民のかまどの崩壊、憲法9条の空洞化を批判するのは、全くの自己矛盾です。
左派は自分たちこそが、日本、和の崩壊者である点、和崩し在位の擁護者である点を自覚すべきです。

右派においても同様です。
保守を自任するならば、皇室典範9条で明確に禁じられている養子を前提とした典範改正論に与するのではなく、天皇とはなにか-皇族とはなにか、皇位継承は如何にあるべきかの本筋を論じることなく(皇位継承者が増えれば自ずと配偶者-子と皇族数は増える)、「皇族数の確保」を言い訳にした現皇族・宮家の利権拡張・終身利権化の目論見、政府-有識者会議の欺瞞を卑しい利権改変として糾弾することこそが本道であり、お追従尊皇は保守に非ず、もっとも恥ずべき在り様となります。
そもそも日本は西欧とは異なり独自の文化を持ち、よって天皇-皇位継承の在り様も独自で良いとするならば、平和の在り様、軍事と経済、エネルギーの構成・得方に等についても和的な日本独自の在り様があって然るべきと考えるのが保守本道であり、西欧覇道国家の在り様に習おうとするのは左派同然の和知らず、「出羽の守」そのものです。

重要なのは、これ以上皇室制度の利権化方向での改悪(女性皇族の結婚後の居座り・非降嫁 養子論)を認めないこと、国会で法改正をさせないことです。
あらためて、現行の「預かり世襲」「制限世襲」「非差別世襲」体系に基いた、高度な進化・深化・昇華(皇室典範15条の改正により、民間にある”皇統に属する男系の男子”を皇籍に組み入れられるようにする この際婚姻無用、養子無用、組み入れ当人に皇位継承順を付与)をなしていくことこそが重要となります。

皇室典範 1条に明記は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」であり、成り立ちの由来=神武建国の和に依拠した神武一系で継ぐという一系継承そのものであり、民間にある”皇統に属する男系の男子”を皇籍に組み入れるに際して現皇室に由来の補足を求める必要性・要素など微塵もありません。
むしろそれは、現皇室・宮家による過剰な立ち入り・利権求めであり、神武建国の和への依拠性・原点回帰性を歪めるものとなります。
養子禁止の本拠は「宗系紊乱の門を塞ぐ」などではなく、成り立ちの由来=神武建国の和の歪め、時の天皇-皇族-宮家による利権集りの排除こそが本筋となります。

そもそも、民間にある”皇統に属する男系の男子”の皇籍組み入れるに際して養子が不可欠なら、天変地異やウィルス等により現存宮家が消滅の場合は養子先になる宮家の不在により皇室は再建出来ないことになります。
また、皇籍への組み入れ当人に皇位継承順を付与せずに、皇室の中で生まれた次世代から継承順を付与と言うのならば、現天皇-皇位継承者をア暗殺すれば天皇は空位になり、危機管理面から暗殺助長の欠陥理論となります。
いずれも、非常にぬるい危機意識、危機想定による安易な枠組みであり、今後数百年後にまた同様の皇位継承者不足になった際にも通用する安定的な皇位継承のための本質的な皇室典範の改正にそぐわないお粗末浅薄な弥縫策となります。

天皇-皇位継承と和の繫がり、君民共治、皇位は預かりものの根本を理解した上での、預かり世襲の高度化こそが現世に生きる我々の役割であり、次代への責務となります。

■男系で繋がっても許されない皇位継承とは何か

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■世襲親王家に見る先人の深謀遠慮、卓越

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■究極例:東京隕石衝突における皇位継承

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■小中学生のための天皇・皇位継承論 1 前半 2つの基本と和

■小中学生のための天皇・皇位継承論 1 後半 歴代&憲法論