0歳即位 全身全霊とは対極の憲法「象徴」規定

憲法体系において天皇の即位・在位に年齢の制限はありません。
0歳でも100歳でも「直ちに即位する」という規定です。
皇室典範 第四条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

0歳の赤子ですからいわゆる公務はおろか憲法に定めらた国事行為すら出来ない形となります。
それでも良い、不都合はないというのが憲法における天皇の位置付けであり、そうした存在、在り様をして、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基くと規定をしているのです。

日本国憲法 第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
(天皇が未成年の期間は摂政が補佐する規定となっています。
 また天皇が高齢等でも摂政の補佐が可能な規定です。)

「象徴」とはなにか、憲法には「象徴」が何かは書かれていない、「象徴」を求める旅… などとも言われるところです。
しかしながら実際は0歳でも即位が可能、公務はおろか国事行為さえ必須ではないとして、「全身全霊」とは対極の形で憲法・法制において明確に位置付けらているのが天皇の在り様、象徴規定となります。
憲法・法制の各条文、それらの総合により、個別明示的に記されていなくてもかなり限定的に枠組みが規定されるのが憲法・法律の仕組みであり、読み方となります。

0歳で社会的な行動、発言も出来ない状況でも即位が可能、在位が相当とするならば、天皇の本質とは憲法・法制的にどういう存在・位置付けになるのでしょうか。
これをよくよく考えることが天皇理解の上で重要となります。

社会的、公的な活動、発言が出来ない0歳天皇でも、実は出来ていることがあります。
これこそが重要であり、天皇存在の本義を示している形になります。
それは「皇位継承」です。

ルールに則った皇位継承、ルールを違えない皇位継承、伝統の昇華である一系継承を蔑ろにせず崩さない継承は0歳の赤子でも可能です。
0歳でもルールに則り皇位継承・代替わりを行い即位・在位することこそが重要であり、国事行為が出来なくてもなんら齟齬はないというのが法に規定されている天皇の本義と読み解くことが可能です。
むしろ逆に、そう読み解くべき、捉えるべきが天皇存在、天皇の地位規定と言えると考えます。

天皇に個人的な優秀さ、人柄、全身全霊などは求められてはいません。
そうした規定はありません。
属人的な要素は問われないからこそ0歳で即位が可能となります。

天皇の枠組み、皇位継承=一系継承にこそ普遍的な価値、意義があり、これを守り受け継ぐ存在が天皇。
だからこそ0歳でも即位が可能。
この枠組み、すなわち皇位を預かりものと捉えて私物化しない抑制的な一系継承を受け継ぐ存在だからこそ、和の体現者として象徴となり得、国民の総意に基づくと規定され得る存在となるのです。

この視点、認識が、皇位皇統、天皇存在、憲法の意味を捉える上で重要となります。

※0歳の赤子とは別に、一定年齢に達した継承者に関しては、優秀さや人柄・人気等を求める方向とは別に、皇族・皇嗣に著しく相応しくない場合は廃する規定はあります。
制度・体系論(総論)と個別論の区別が重要で、それはそれこれはこれという実務・運用は理念と矛盾するものとではありません。

憲法・法制により幼少継承者、0歳継承者の即位・在位が保障、担保されることによって、近親女性が繋ぎ的な即位・在位により幼少天皇の将来の即位を確保する必要性はなくなりました。
皇室典範において女性天皇(男系女子の即位)が排除されているのはこうした背景があります。
天皇が文化的・象徴的な存在となり(直接政治を執り行う立場ではなくなり)、憲法法制・国家的な枠組みにおいて幼少継承者の立場が保障されることにより、純粋な一系継承がようやく可能となったというのが明治における立憲制、皇室典範の歴史的な意味合い、意義となるのです。

あらためて0歳即位の究極的な意味合い、極限例に本質が表れるという意味合いの吟味により、皇位継承議論を深めていきたいものです。

0歳即位に関しては、図表も含めたスライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。

小中学生のための天皇・皇位継承論 1 後半
・継体天皇 手白香皇女
・推古天皇 蘇我馬子
・光格天皇 後桜町天皇
・明治の皇室典範 高度な昇華
・憲法1条 象徴 国民の総意に基く
・憲法2条 世襲 皇室典範
・旧宮家子孫から皇籍に組み入れ・宮家設立

 

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