現行法制・皇室典範においては女性天皇(男系女子)は排除され養子も禁止されており、この枠組みを解し尊重する立場が保守、伝統尊重派となります。
女性と女系の違い・女系になったら終わり・旧宮家を養子で等を主張する男系派、自称保守もいますが、 現行法制・皇室典範 の意味合いを解さずに軽視し蔑ろにする意味 (改正すればよいという安直な姿勢) においては女系派と同じであり革新、伝統軽視の側となります。(「護る会」の提言も同様)
知的、建設的な議論においては、保守側と革新側の双方(本質的な論旨、立脚点を異にする対立論者)による対論が重要であり、保守を外して革新A vs 革新B といった構図では議論が深まっていきません。
メディア、論壇には、あらためて保守・伝統側の立場から皇室典範における女性天皇( 男系女子、過去に例有り)の排除、養子の禁止の意味を理解し説明出来る論者を招いての対論構図提示を求めたいと思います。
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現行憲法においては、上記の皇室典範を前提としつつ“国民の総意に基く”として天皇存在を規定しているのですから、伝統、現行の法制・皇室典範の意味合い、真意はどういったものなのだろうと知りたがっている国民が大勢となります。
最初から変えてよい、変えるべきだという話、論者設定では、そもそもなぜ女性天皇も排除され、養子も禁止とされたのか、歴史の意味、伝統の解釈の仕方が分からないまま、検討の土台がないままに判断を迫られる形になってしまいます。
当然ながら議論の方向もずれていってしまうことになります。
皇位継承議論の本質的な対立構図は、男系か女系か、女系になったら終わりなどではなく、一系か直系かです。
王位皇位の世襲方法分類 直系か一系か
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日本の皇位継承:一系継承は、男系で繋がればよいというものではなく、男系で繋がっても相応しくない継承もあります。
男系はあくまで必要条件であり、その上で更に高度な十分条件が必要となります。
そしてその十分条件は時代・社会の変遷、天皇の存在・役割自体の変遷とも連動して変わってきています。高められてきているのです。
その意味で、男系では繋がる養子も禁止となっているのです。
男系で繋がっても許されない皇位継承とは何か
皇位継承は日本の文化、伝統と密接に繋がりながら高められてきたものですから、和の心自体の捉えも重要ですし、和の心と一系継承の繋がりの理解も重要となります。
こうした踏まえがあるのが真の保守派となります。
シラスと皇位継承 シラスが成り立つのは無私抑制の一系継承:傍系移行=天皇の国譲りによってこそ
あらためて、皇室典範に対してどのような捉え、姿勢でいるかに着目をして論、論者を区分けしてみてください。
「護る会」 皇室典範の無理解・軽視で心許なく
そして、真の保守派、皇室典範・現行法制の意味を解し説明出来る論者の話を聞くところから皇位継承議論への参加、伝統の受け継ぎをしてもらいたく。
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皇室典範の意味・高度さに関しては、図表も含めたスライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。
小中学生のための天皇・皇位継承論 1 後半
・継体天皇 手白香皇女
・推古天皇 蘇我馬子
・光格天皇 後桜町天皇
・明治の皇室典範 高度な昇華
・憲法1条 象徴 国民の総意に基く
・憲法2条 世襲 皇室典範
・旧宮家子孫から皇籍に組み入れ・宮家設立