旧宮家の子孫の方々に非常に無礼な「護る会」の提言 養子前提など不見識も甚だしく

「護る会」の10月23日の皇位継承に関する提言は、旧宮家子孫の方々に養子を求めているという意味で甚だ不見識で非常に無礼なものと捉えます。
現行法制・皇室典範の規定(女性天皇排除、養子禁止)に反するだけでなく、歴史の教訓も踏まえて内容を高めつつ積み重ねてきた先人の営み、伝統の昇華を蔑ろにするもので、到底保守、伝統護持などと言える筋合いのものではありません。

提言全文とは別に記者会見においては女性天皇に関する質問もありましたが、ここでも皇室典範、伝統の昇華に関する認識の浅さが露呈していて、まさに「叩き台」として各方面から種々の問題点を指摘されることが最大の意義・貢献となるような取りまとめと捉えます。

「護る会」の提言においても、「現在の皇位継承順位は一切変えない」という明示は現在における皇位継承議論の大前提として重要であり、また「旧宮家の存在を公の議題とし、現在でも若年男子がいる点を明らかにした」という意味では意義ある提言と評価するところです。
比較の問題として、直系継承(女性宮家、女性・女系天皇)を積極的に進めようという野党、また皇位皇統問題に無関心な議員たちに比べればまし、期待したいという考え方もあろうかと思います。

しかしながら、今は皇位継承議論のレベル、ステージを高めていくべき段階です。
皇位継承の本質、伝統の本義を損ねるような認識、提言を是とし持ち上げるようでは、皇位継承議論はますます歪み、直系継承(女性宮家、女性・女系天皇)論に傾いていくだけと考えます。

なにより、単に制度論というだけでなく具体的に対象者のいる問題に関しては、不見識は直接的な非礼に繋がります。
「養子になるなら皇族にするよ、皇族になってもいいよ」などと“交換条件”的に捉えられるような認識、言は、単に個人に対する非礼に留まらず、そもそもの皇位継承資格の捉え方自体の浅薄さを示すものとなります。

第119代光格天皇の即位、傍系移行は、皇統論、皇位継承の段階的進化という意味では、実質的に女性天皇を封印したというプラスの意義を持つ反面、内親王との婚姻を条件的に絡めて一代飛ばしをした(尊号一件に繋がり)という意味でマイナスの面も持つ重要な事例となります。
明治における皇室典範制定ではこの反省も十分に踏まえ、女性天皇の排除を明示しつつも内親王との婚姻を条件的に絡めるような条項は一切盛り込まず、養子も禁止として、神武男系男子ということのみで皇位を継承する基本的な資格があるもの(小細工無用)と規定しています。

旧宮家子孫の方々における神武男系男子というそうした意味での立場の尊さ、またそれが故の自制自律、重い役割意識を自覚の日々、営みの積み重ねを考えるならば、到底養子を前提条件のように示すことなどあり得ず、純粋に御身一つで皇籍に入っていただく趣旨、皇統を支えていただく趣旨でお参りをすべきが筋と考えます。
「護る会」のような養子前提の話となるならば、進む話も進まない、まとまる話もまとまらない、門前でご遠慮という流れにもなりかねません。
それほどあり得ない提言、取りまとめ、基本認識のずれ、甘さと捉えます。

あらためて保守派、伝統派の吟味、選別が重要と考えます。
現行法制、皇室典範を蔑ろにせず、安易に改正を唱えず、意味を解して説明出来る論者を中心として、皇位継承の本質を明らかにしつつ広めていく方向こそが重要と考えます。
安易な迎合、過度な期待はかえって本道を損ねることになります。
(「護る会」の提言を是とし評価などしたら、旧皇族子孫の方々は失望をなさるものと存じます)

あらためて非常に危惧を感じた「護る会」の提言、記者会見の様子でした。

「護る会」 皇室典範の無理解・軽視で心許なく

皇室典範の意味・高度さに関しては、図表も含めたスライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。

小中学生のための天皇・皇位継承論 1 後半
・継体天皇 手白香皇女
・推古天皇 蘇我馬子
・光格天皇 後桜町天皇
・明治の皇室典範 高度な昇華
・憲法1条 象徴 国民の総意に基く
・憲法2条 世襲 皇室典範
・旧宮家子孫から皇籍に組み入れ・宮家設立

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