皇位皇統の伝統的立場からは、初代神武天皇は始祖である天照大御神に繋がる存在として位置づけられています。
神さまの子孫とされているのですからそもそも実在性や史実的裏付けを根拠としておらず、伝承に基く文化的理念的な存在想定が根拠で十分という位置づけです。
むしろ初代天皇の神武天皇でさえ個人崇拝で捉えてはならない(日本建国の和、理念こそが重要)と戒めている形となります。
そうした神武天皇の伝統的位置付けにおいて、そのY染色体を云々、まじめな議論の根拠にするなどナンセンスの極みです。
(そもそも神武のY染色体はどこから来たのか)
少なくとも伝統に立脚した保守派の思考とはなりません。
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歴代天皇における実際の遺伝的な繋がり、血脈に関しては、仮に途切れていたとしても万世一系、制度としての一系継承の意味、意義は損なわれません。
万世一系とは過去(126代)の礼賛や無謬論ではなく、今・未来(9874代)を縛り「建国の和」の連綿を誓う意味合いの込められた美称表現となります。
今そして未来において、ルールに背いた私物化継承(皇位の由来無視)を戒め抑止し傍系移行を為さしめる縛りという意味において有効であり、和の維持装置・原点回帰装置となります。
シラスと皇位継承 シラスが成り立つのは無私抑制の一系継承:傍系移行=天皇の国譲りによってこそ
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遺伝的に長く繋がってきたから貴重、素晴らしいということではなく、初代、建国の理念(和、君民共治)を損なわずに維持し高めて来たからこそ、それにおいて役割を果たしてきたからこそ尊く価値があるのであり、ゆえに「国民の総意に基く」と憲法一条において位置付けられているのです。
男系、遺伝子・染色体的な繋がりが保たれればよいという継承方法でも天皇存在でもありません。
この点、いわゆる男系派の論では認識の浅い面が見受けられます。
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男系で繋がっても建国の理念、和、仁=究極の無私(私利私益、個利個略とならない)、君民共治を損ねる継承方法はいくらでもあります。
そうした継承を排除してルールの質を高めて来たのが皇位継承の歴史、伝統の昇華となります。
その意味で、女性天皇も養子も排されてきたのです。
(譲位・上皇陛下も同様です)
今あらためて、皇位の由来、初代神武天皇の理念的位置付け、建国の和、君民共治について考え直すことが重要に思います。
それが今、平成、令和において具現されているのか。
具現度合いはいか程か。
歴史の発展に見合った到達度と言えるのか。
皇位は天皇、天皇一家のためのものではありません。
私物でも利権、相続物でもありません。
あらためて一系継承の本義を捉え直し、和の度合いを高めていくこと、国の建て直しを進めていくことが重要に思います。
万世一系は過去の礼賛、無謬論ではなく現世を縛り未来に和の普遍理念を繋ぐ美称表現
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神武天皇の実在性、Y染色体に関しては、いわれこそが重要という意味で図表も含めたスライド動画説明を Youtube に登録しました。
ぜひご覧いただきたく。
小中学生のための天皇・皇位継承論 1 前半
・小中学生への期待 裸の王様を言うのは子供
・基本と応用、基本が大切
・基本1 王位・皇位の世襲方法分類 直系継承/一系継承
・基本2 王皇制の危険性・リスク 王統断絶・国王処刑・恐怖政治
・基本を踏まえての日本の皇位継承
・皇位は預かりもの 皇位の私物化は許されない 君民共治 シラス
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